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震災を体験して

 

大 川 房 子
(明石市)

 

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ドンドン、ガタガタ、ガチャガチャ、1995年1月17日早朝、この音で目が覚めた。最初は、何が起きたのか判らなかったが、10数秒後の揺れの中、地震だと直感した。揺れが収まり、外を見回すと、只事ではないと思った。そうこうしてると、お隣から「大丈夫」との一声が聞こえ、私も 「こちらは大丈夫よ、おは」とのやり取りで少し気持ちが落ち着いてきました。
外へ出てみると、屋根瓦の大半が落ち、外壁、内壁には大きな亀裂が入り、照明器具は根っこから千切れ、食器棚からは食器が飛び出し粉々に壊れ、その様子を見て呆然としてしまいました。一番驚いたのは縁側のアルミサッシの戸が全部30cm程度開いていたことです。初めの縦揺れでロックが外れ、次の横揺れで戸が開いたようです。どれ一つ見ても震度がどれくらいか、おおよその想像はできましたが、ライフラインが全てストップし、情報が閉ざされ、ラジオからの電波で震源地は淡路だということが判ったのが地震発生から数時間後のことでした。
被災地以外では、テレビ等で次々と情報が流れ、手に取るように現地の様子が伝わっていたようですが、被災地ではそれらの情報は全くなく、震災からの4,5日は、陸の孤島のようでした。数10日の不自由な生活から平常に戻った時、いかに平凡な生活がありがたいか、身を持って体験しました。

 

一日も早い復興を

 

込 山 敏 昭
(北淡町)

 

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私は、平成7年12月1日付けで行政相談委員の委嘱を受け、現在微力ながら活動を続けているところです。住んでいる北淡町は、淡路島の最北端に位置し、東西に18kmに亘る帯状地形の町で、11.6kmの海岸線、その海岸線に阪神・大震災の震源地「野島断層」があり、自宅から2kmほど北側眼下に見ることができます。
北淡町は、農業、水産、商工業が主な産業で11,100人で過疎の町です。
昨年1月17日午前5時46分突然起きた大地震。私はいつもの通り午前5時過ぎに目を覚ましラジオを聞いていました。ところが、急にドーンと、もの凄い音。ダンプカーが道から落ちてきたのかと思ったが、すぐ横揺れが続き地震と判りました。すぐ電灯も消えラジオも聞こえなくなりました。とても残念な出来事です。この大地震は、北淡町が震源地ですが、阪神間までに及んでいることが分かり地震の恐ろしさを痛感しました。
この地震に際しまして全国から寄せられました義援金、救援物資の暖かいお見舞い、ボ

 

 

 

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